| トップページへ |
京都労演って？
４０年以上の歴史あるいわゆる地方演劇鑑賞団体の老舗です。歴史がある分会員歴の
長いメンバーも多く、団塊の世代が会員の年齢層の中心となっています。
この団塊の世代が会員の中心年齢層であるというのは私が加入した７０年代後半から
ずっと続いているので、新劇というのは「団塊の世代の華」かもしれないなぁ、と私は
思っています。機関誌に載っている役者さんたちのコメントによると京都労演の会員は
シビアだとか厳しいだとか言われています。確かに表面的な“くすぐり”などには
あまり反応しない傾向がありますが、この新劇通信簿のランキングを見れば、良い芝居
に対しては良い評価を与えていると思います。人から聞いた話ですが、かつて浅利香津代
さんが「貞子〜秋田おばこ物語」をもって京都労演で公演したときあまりの反応の無さに
秋田弁が分からないのだろうかと悩んだということでしたが、でもランキングでは５８位
ですから直に反応がないからと言って、あなどれないのです。
券裏アンケートとは
京都労演では参加する例会の日が決まるとサークルの代表者に連絡し、後日代表者から
入場券が送られてきます。その入場券を例会当日、座席券に引き換えます。この入場券の
裏に前月の公演の印象について４段階（とてもよかった・よかった・まあまあ・よくなかった）
で評価するアンケートが載っているのです。このアンケートは京都労演では翌年度以降の
例会公演選定の参考にしているようです。アンケートの結果は毎月の機関誌に男女別に
また、年に１度か２度、機関誌か代表者会議資料に全体のアンケート結果が掲載されます。
どうして１９７７年１２月からランキングが始まっているのか
これは私が労演に始めて参加したのがこの月だったからです。正式なメンバーと
なったのは翌月でした。
きっかけ
新劇通信簿の基になったランキングを作ろうと思いついたのが９８年の夏のことです。
ちょうど私は失業中、就職するためにはコンピュータくらい使えなければということで、
表計算の勉強をしている時にふと今まで労演で見た芝居の中で一番評判が良かったのは
何だったんだろうと疑問が湧き、折角だからこの勉強を活用してみようと思ったのです。
さあそれから２０年分の機関誌をひっくり返し、ほじくり返してデータを集めました。
ただ、私も真面目に２０年間毎月労演に参加していた訳ではなく、風邪・仕事・大雪・大雨
歌舞伎、宝塚と日程が重なった等々の理由で欠席し、機関誌が無い月もありましたので
ランキングの中に所々不明というのがあります。その点はご了承ください。
アンケート結果の数字について
基本的には全体のアンケート結果を採用しましたが、機関誌に掲載されていない年が
あったり等、全体のアンケート結果が分からないときは毎月機関誌に掲載されている
男女別のアンケート結果を使用しました。京都労演は男女の比率が１：２となっている
ので単純に足して２で割るのは良くないのではないかと考え、女性のアンケート結果の
数字を２倍にし、男性の数字を足して３で割っています。
また、ランキング表のアンケート結果の欄が狭いため、
とてもよかったを「Ａ」、よかったを「Ｂ」、まあまあを「Ｃ」、よくなかったを「Ｄ」
に置き換えています。
一つの順位に複数の公演名があることに関して
これは二つの理由があります。まず一つには一人芝居など短い芝居が２本以上あるのだが
まとめて一つのアンケート結果を出している場合。そしてもう一つは別の例会であるが
たまたまアンケート結果が同じであった場合。
私が考える労演と新劇の問題点
京都労演は２０００年から年間１２公演が８公演に減ってしまいます。
これは毎月例会を開けるほどの新劇の芝居が無くなってきていることと、会員の減少による
赤字が大きな問題になってきているのです。これはただ京都だけの問題ではなく、大阪労演
でもやはり２０００年から例会数を減らすことになっているそうです。上にも書きましたが、
京都労演の会員の年齢層は５０歳代が最も多く、将来を担うはずの２０歳代は１〜２％しか
いないというちょっと深刻な状況も起きています。これは労演側の問題だけではないのでは
無いかと私は思っています。確かに娯楽の多様化など、会員減少の理由に上げられていますが、
新劇の劇団自身の世代交代が上手く進んでいないことも重大な問題だと思います。
可処分所得が最も多い２０歳から３０歳代の女性を惹きつけるような役者がいないのです。
私には今のところ文学座の内野聖陽さんの名前しか浮かんできません。
新劇の劇団は東京で公演した後、地方演劇鑑賞団体を旅公演で一回りして、やっと採算が取れる
という状況らしいので、もし一つでも労演が解散してしまえば倒産してしまう劇団がきっと
でてくるはずです。労演の赤字は、本当なら劇団がかぶるはずの赤字を肩代わりしているように
思うのですが、どうでしょうか。
|