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12月 |
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題名・・・「ミュージカルHONK!−ホンク!−」 作者・・・アンソニー・ドリュー 演出・・・鈴木孝宏 劇団・・・ピュアーマリー 主演・・・岡まゆみ 男性・とてもよかった=17%・よかった=56%・まあまあ=22%・よくなかった=5% 女性・とてもよかった=27%・よかった=45%・まあまあ=24%・よくなかった=4% |
みにくいアヒルの子を元にして作られたミュージカル。 とはいえ、それだけでは短いので、みにくいアヒルの子が猫に騙されて、アヒルたちの住む池からつれだされ 自分が住んでいたところに戻って来るまでの冒険物語になっていました。 そしてみにくアヒルの子だけではなく、母さんアヒルも我が子を探して回ります。どんなに他の子と違っていても 我が子と信じる強い意志が感動を呼びました。 ミュージカルと謳っているだけのことはあって、みにくいアヒルの子を演じた木村昴さん、キャット役の野沢聡さん、母アヒルの 友達モリーン役の紫ともさんなど、ミュージカルの舞台を数多く踏んでこられた俳優さんたちがキャスティングされていたので、 安心して見ることができました。 母アヒル役は岡まゆみさんが演じておられたんですが、女優としてのネームバリューにおもねることなく、歌もダンスも きっちり仕上げてこられた姿勢に感心してしまいました。 12月例会ということでもあるし、みにくいアヒルの子を元にしたお芝居ということで、お子様向けなんだろうかと疑って 見ていたのですが、キャストの力量で大人でも楽しめる作品でした。 ただ、母アヒルは子供が猫にさらわれたということで、ものすごく心配して他の子供達を夫に預けてアヒルの子を探す旅に 出るのですが、アヒルの子の方は寸でのところで猫の元から逃げ出して、家に帰るまでの冒険の旅を楽しんでいるようで、 親の心子知らずということわざは日本だけではなく世界共通だなと思ってしまいました。 私の評価・・・よかった |
10月 |
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題名・・・「ゆれる車の音 九州テキ屋旅日記」 作者・・・中島淳彦 演出・・・鵜山仁 劇団・・・文学座 主演・・・角野卓造 男性・とてもよかった=33%・よかった=51%・まあまあ=16%・よくなかった=0% 女性・とてもよかった=32%・よかった=57%・まあまあ=10%・よくなかった=1% |
宮崎県油津の乙姫神社の祭りの前夜、テキヤの金丸重蔵が妻と娘を連れてやってくる。 重蔵の父親はかつてこのショバをまとめていたのだが、戦後特攻隊上がりの愚連隊・上原丈太郎にショバを奪われてから、 金丸一家は油津を離れ家族で全国を回っていたのだ。 父親は入院していて、うわ言に「油津のショバを取り戻せ」と繰り返し言うのを聞いて、重蔵はいやいやながら乙姫神社の祭りに 帰ってきたのだった。 勢い込んで戻ってはきたものの、ご時世には勝てず、乙姫神社もすっかり寂れ、今は祭りの日に町のスーパーが形ばかりの 露店を出すばかりだった。 このスーパーの社長の父親が上原丈太郎だった。重蔵が帰ってきたと聞いた丈太郎が大慌てでやってくる。 重蔵がこの町に戻ってきたくなかった理由の中には、昔好きだった女性がまだ住んでいるかもしれないという未練な気持ちも あった。彼女は小料理屋を営みながら、女手一つで娘を育てていた。 この娘は重蔵の子なのか? 妻に頭の上がらない重蔵は疑惑にビクビクしながら、乙姫神社の祭りが始まる。 戦後まもなくはにぎやかだった祭りがいつの間にか廃れてしまい、どんどん変わって行く日本。その流れに乗り切れず 昔のテキ屋商売を続けながら日本を旅する重蔵たち。グループサウンズが全盛だった時代なので、今より高度成長の恩恵で 行け行けドンドンな時代だったはずなのに、この作品にはペーソスが溢れていました。 重蔵役の角野卓造さんと丈太郎役のたかお鷹さん、この芸達者なお二人が八面六臂の大活躍なさいます。 まさか村祭りの出し物で、角野さんやたかおさんたちの油津タイガースによるGSサウンドの「ゴーバウンド」を聞けるとは 思いませんでした。 それ以外にもギターの弾き語りやテキ屋の啖呵売のセリフなど角野さん多才ぶりや、たかおさんの笑いを呼ぶ型破りな演技、 楽しい作品でした。ただ、少々頭髪に関わる自虐ネタが鼻につく気はしましたが。 私の評価・・・よかった |
8月 |
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題名・・・「兄おとうと」 作者・・・井上ひさし 演出・・・鵜山仁 劇団・・・こまつ座 主演・・・辻萬長 男性・とてもよかった=29%・よかった=59%・まあまあ=11%・よくなかった=1% 女性・とてもよかった=33%・よかった=56%・まあまあ=10%・よくなかった=1% |
吉野作造と弟をモデルにした作品、2ヶ月連続実在の人物をモデルにした作品が続きました。 民本主義を唱える作造と弟・信次は10歳違い。作造は子供のころから神童の呼び声が高く、小学校を卒業すると仙台の 中学校そして東大へと進学していったため、信次と暮らしたことがありませんでした。 兄弟でありながら、別々に生活してきた二人が同じ部屋に床を並べて寝た5日のエピソードということで芝居は作られていました。 信次は、高級官僚として中央政府で働いており、彼の妻・君代は作造の妻・玉乃の妹でした。 エピソード1、留学することになった作造は月々の収入が今までの1/3になることで、日本に残す家族の生活を心配して 君代と素封家の息子で「どんぐりころころ」の作曲家青木を見合いさせようとするが、君代と信次が恋仲で結婚の約束を していたことを知る。 エピソード2、作造と信次の家族で旅行に来た宿で、作造たちの財布と金時計が盗まれる事件が起こる。 犯人は、旅館の裏手にある魚の加工場で働く女工さんだった、彼女は両親を亡くし女手一つで弟や妹たちを育てていたのだが、 会社で給仕をしながら勉強のための資金を貯めている弟のことを思って、つい出来心で盗んだのだ。 巡査と共に財布と金時計を返しにきて、今回のことは無かった事にして欲しいと頼みにくるのだが、信次はそんなことでは 示しがつかないと警察に届けようとする、しかし君代は夫の浮気を逆手にとって女工さんを許す。 エピソード3、東京大学にある作造の研究室。男が一人作造の帰りを待っている。そこに中国から袁世凱の娘が尋ねてくる。 袁世凱の娘は作造が天津で教師をしていたときに知り合って、新しい中国の国造りのために作造の元で勉強しようと 来日したのであった。 部屋にいた男は右翼で、作造の日ごろの言動に天誅を加えようと来ていたのである。 ここに玉乃がお弁当を持って現れ、右翼の男に作造は赤門前の居酒屋にいると言って部屋から連れ出す。 玉乃はしょっちゅうこういう輩が作造の元に押しかけてくるので、扱いに慣れており、守衛のところにまで右翼の男を 連れて行く口実だった。 エピソード4、関東大震災で作造たちの家が壊れたため、作造はYMCAに泊り込み、家族は信次に居候していた。 ある夜更け、この家に説教強盗が忍び込む。 玉乃たちは、有名な説教強盗が目の前にいるということで怖がるどころか大喜び。渋い顔をしているのは信次だけだった。 そんなところにYMCAに泊り込んで論文を書いていた作造が資料を取りにくる。 エピソード5、連日、国家予算の承認で疲れきった信次を連れて君代が温泉に来たところに、作造も玉乃に連れられてやってくる。 作造は重い病気を患っていた。そこで作造と信次は互いの信条の違いで大声で喧嘩を始める。 その旅館には東京の下町でブリキのおもちゃを作ってる工場の慰労会の団体と満州から貧乏な百姓の娘を買いに来ている 遊女屋のマダムも泊まっていた。 作造たちの喧嘩がうるさいと怒鳴り込んできた工場の社長と遊女屋のマダムは兄妹で作造たちの部屋でばったり会うことが でき、互いの無事を喜びあって、自分たちの部屋に戻っていく。 その姿を見た作造たちは一般民衆の幸せとは「三度のご飯きちんと食べて、火の用心、元気で生きよう きっとね」 だということに気づかされるのだった。 作造は、ヨーロッパへ派遣されたことで憲法や議会は民衆の側からの要求で作られるものであるという確信を持っている。 信次は高級官僚という立場上、憲法も議会も天皇からの下されものであるという立場にある。 作造たちの生まれ育った環境や思想信条をエピソードの中に織り込み、歌と踊りを交えて堅苦しくなく描いた作品でした。 吉野作造のことは学生時代に日本史で名前と民本主義を習ったぐらいしか知りませんでしたので、思想家としてだけではなく 貧しい人たちのための病院や孤児院を身銭を切って運営しておられたり、常に人々のことを考えて行動しておられたことに、 現代の私たちはそういう素晴らしい人がいたことを全く忘れ去っていることに気づかされました。 各エピソードの中に、その時代の民衆の苦しみや作造の悩みが描かれていたのですが、少々長くもう少し絞れないものかと 感じました。そして作造が亡くなったところでお芝居があっさり終了し、ちょっと肩透かしのような気もしました。 作造役の辻萬長さんの思想家らしい器の大きさ、信次役の大鷹明良さんは絵に描いたような高級官僚の雰囲気、玉乃役の 剣幸さんの度胸の座った感じ、君代役の高橋礼恵さんの華やかさ、キャスティングがぴったりはまっているのももちろん ですが、チームワークのよさが感じられて、こじんまりした座組みの良いところが生かされていたのではないでしょうか。 主役の4人も素晴らしかったのですが、その他の役を何役も兼ねて演じられた宮本裕子さん、小嶋尚樹さんのがんばりが凄かったです。 私の評価・・・よかった |
7月 |
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題名・・・「東京原子核クラブ」 作者・・・マキノノゾミ 演出・・・宮田慶子 劇団・・・俳優座劇場プロデュース公演 主演・・・田中壮太郎 男性・とてもよかった=29%・よかった=63%・まあまあ=6%・よくなかった=2% 女性・とてもよかった=35%・よかった=52%・まあまあ=13%・よくなかった=0% |
時代背景は戦前、舞台は理化学研究所の近くにある下宿屋「平和館」。そこに住む友田晋一郎が主人公でした。 友田は京大から理化学研究所に移ってきたのですが、雰囲気の違いに戸惑い、幕開け早々理研を辞めようか と悩むところから始まります。 その時友田に話しかけたのが同じ下宿に住む箕面富佐子。彼女はダンサーだったのですが、若い女の子に 自分のポジションを奪われたため、ダンサーを辞めて故郷に帰ろうとしていたところだったのです。 芝居が始まった途端、辞めようだとか故郷に帰ろうだとかから始まり、個性的な登場人物が次から次へと 登場するマキノノゾミさんらしい楽しくも苦い作品でした。 西田を中心に原子物理学を理論で研究する友田たちと、友田たちの理論を実験で証明する武山。 時代は西田や友田たちを研究だけに没頭させてはくれなくなっていました。 原子力の爆発力に目をつけた軍部より、原子爆弾の開発協力を求められるようになっていくのです。 欧米と原子物理学を争うように研究していた西田は、軍部から欧米が日本よりも先に原子爆弾を作らないかと聞かれます。 その時西田は我々に作れないものが、アメリカに作れるはずは無いと答えたのですが、日本と比べ物にならない調達力の あるアメリカは原子爆弾を作り、広島・長崎に投下したのでした。 戦後、半分焼け落ちた「平和館」に友田を初め生き残った人々が集まります。そして同じ寮に住んでいて徴兵され戦死した 偽東大野球部員だった男から届いた葉書が読まれます。部隊で上官が友田たちが新型爆弾を研究してくれているので 戦争に勝つ日も近いという話を聞き、久しぶりに友田たちの様子が知れて嬉しかったというような内容でした。 最後、この葉書でしんみりしているところに、中国を巡業していて死んだと思われていた箕面富佐子が戻ってきます。 富佐子の生命力の凄さに笑わせてもらったところで、お芝居は終わりました。 戦争に巻き込まれていく人々というのはよくある設定なのですが、原子物理学者を主人公にするという目の付け所の おもしろさ。 フィクションなのに、あの人かもしれないと思わせられて好奇心がくすぐられました。 そして、笑いだけではなく、戦争の冷酷さもちゃんと描かれ、涙を誘うところもあり、マキノさんの芝居を見たと 満足させてもらいました。 私の評価・・・よかった |
6月 |
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題名・・・「さんしょう太夫−説経節より−」 作者・・・ふじたあさや 演出・・・香川良成 劇団・・・前進座 主演・・・小林祥子 男性・とてもよかった=31%・よかった=46%・まあまあ=20%・よくなかった=3% 女性・とてもよかった=46%・よかった=43%・まあまあ=11%・よくなかった=0% |
「さんしょう太夫」、子供のころ読んだ「あんじゅとづし王」という絵本であらすじだけは知っていました。 説経節を元に作られた今回の作品で初めて「さんしょう太夫」という物語の全貌を知ることが できました。 舞台に説教節の古文書が映し出され、役者たちは座席の通路を通って現れます。 演技は狂言を元にしてるように見えました。 あんじゅとづし王は父親が筑紫に流されたため、嘆願のために母親とともに京の都に上ろうとします。 女性の召使を一人だけ連れた女子供の旅人だったため、人買いに騙されて母親と召使、あんじゅとづし王は 別々の船に乗せられて、違う場所に連れて行かれるのです。召使は責任を感じて船から海に飛び込んで 亡くなってしまいます。 あんじゅとづし王が売られたのは、さんしょう太夫と言う男で京の貴族に米や塩、薪などを納めていました。 さんしょう太夫には、人並みの兄と父親そっくりな弟の2人の息子がいました。 あんじゅは汐汲み、づし王は薪集めの仕事を与えられるのですが、裕福な家庭に育ってきた2人にとって 辛い生活が始まりました。 さんしょう太夫の奴婢は、逆らえば額に焼印を押され、逃げ出せないように奴婢同士で監視しあっていました。 苦しい奴婢生活もようやく慣れ、正月祝いのささやかな宴席で、づし王はさんしょう太夫の元から逃げ出す 話を盗み聞きされ、告げ口されて折檻されます。 ある日、あんじゅは男仕事の薪集めに仕事を替えてくれと願い出て許されます。あんじゅが薪集めになったのは づし王を逃がすためでした。姉の機転でさんしょう太夫の元を逃れたづし王は国分寺に逃げ込みました。 非人間的なさんしょう太夫の振る舞いに日ごろから反感を持っていた僧侶はづし王をさんしょう太夫の追っ手から匿い つづらに隠して京の町の近くまで連れて来ました。 その頃、あんじゅはづし王を逃したことで責め折檻され、命が尽きてしまいます。 京に逃れたづし王は、取り立てられ立派な貴族となり、さんしょう太夫たちが住んでいる山城国の国主となって戻ってきます。 しかし、あんじゅがさんしょう太夫たちに殺されたことを知り、さんしょう太夫をノコギリ引きの刑に処します。 姉の仇を討ったづし王は、母を無事探し出すことができたのでした。 金焼地蔵の功徳を語るために、この世の地獄として描かれたさんしょう太夫の非道の数々、説教節として語られて いるのならば、聞いた人間の想像力でいか様にもなりますが、演劇で視覚化されるとあまりに残酷な話だったので、驚いて しまいました。 説教節などで有名な作品は文楽や歌舞伎に取り入れられて現在でも上演されるものもあるなかで、さんしょう太夫が 演劇化されなかったのは、この残酷さにあったのかもしれないと思いました。 金焼地蔵でもなく、づし王でもなく、これほど悪逆非道の"さんしょう太夫"がタイトルロールになってしまうとは 怖いもの見たさの人間の心理が働いていたのかなと思ってしまいました。 ただ語り物をこれほど忠実に残酷に見せてしまうのは如何なものかという思いも残ってしまいました。 私の評価・・・まあまあ |
4月 |
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題名・・・「アンナ・カレーニア」 作者・・・トルストイ 脚色・・・加来英治 演出・・・加来英治 劇団・・・エイコーン 主演・・・栗原小巻 男性・とてもよかった=21%・よかった=40%・まあまあ=33%・よくなかった=6% 女性・とてもよかった=31%・よかった=42%・まあまあ=22%・よくなかった=5% |
トルストイの名作「アンナ・カレーニア」、恥ずかしながら名前しか知りませんでした。 でもかえってこの年齢になって見たことで、アンナの苦しみがよく理解できたのではないでしょうか。 アンナはカレーニンという夫とセリョージャという息子がいました。 貞淑な妻だったアンナに、青年将校のウロンスキーが近づいてきます。 初めはウロンスキーの情熱に戸惑っていたアンナだったのですが、次第にウロンスキーに 惹かれていきます。 そしてウロンスキーとアンナは不倫の関係となり、アンナは妊娠してしまいます。 しかしアンナは産褥熱により生死の間をさまよい、流産してしまいます。 病床で苦しむアンナの姿を見て、夫のカレーニンはアンナを自由にしてやろうとします。 夫は離婚には同意するのですが、離婚すれば息子のセリョージャとの縁も完全に切れてしまう ことを条件にされてしまいました。 アンナは夫の家を出、ウロンスキーは軍隊を辞め、イタリアに逃避行します。 イタリアでの二人は陽気な国の雰囲気に包まれて幸せな時間を過ごすことができました。 アンナとウロンスキーは、ロシアのウロンスキーの実家に戻ってきたのですが、セリョージャへの 未練からアンナがカレーニンと正式に離婚しようとしないことにウロンスキーは徐々に不満を募らせるようになっていきます。 アンナとウロンスキーが内縁関係を続けていることで、社交界からも無視され、アンナは孤独になっていきます。 そしてアンナは仕事で忙しいウロンスキーが自分を捨てるのではないかと不安になりアヘンがないと 眠れなくなっていくのです。 商用でモスクワに行くことになったウロンスキーにアンナも付いていきます。 そしてアンナは強迫観念にさらされ、全てに絶望し列車に向かって投身自殺をしてしまいました。 栗原小巻さんの渾身の演技の素晴らしさ、久しぶりに新劇らしい新劇を見たと感激しました。 大げさかもしれませんが、新劇100年の培われた伝統がこの舞台に凝縮されていたように思えました。 今後新劇がどういう形で日本の演劇界に残っていくのかは分かりませんが、この素晴らしい「アンナ・カレーニア」を 一人でも多くの方に見ていただき、記憶の中に残していただきたいと思いました。 私の評価・・・とてもよかった |
2月 |
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題名・・・「見下ろしてごらん、夜の町を。」 作者・・・中島淳彦 演出・・・中島淳彦 劇団・・・東京ヴォードヴィルショー 主演・・・佐藤B作 男性・とてもよかった=20%・よかった=56%・まあまあ=22%・よくなかった=2% 女性・とてもよかった=35%・よかった=50%・まあまあ=14%・よくなかった=1% |
舞台は、港町にある元倉庫を改造したライブハウス。そこに不動産屋に案内されて 一人の男が下見にやってきます。このライブハウスは、マニアにしか知られていないフォーク 歌手が経営していたのですが、亡くなったということで息子が手放そうとしていたの でした。 男の名は木下藤吉といい、会社員だったのですが退職金でこの店を手に入れようと考え ていました。本人も若いころフォークにはまり、自分で作詞作曲した歌を当時の恋人 だった妻にプレゼントしたりするほどだったのです。 このライブハウスでは、昼間にフォークギター講座を開いていたので近所のフォーク 好きな男たちが、自慢のギターを持って集まってきていました。 なので突然このライブハウスを買おうとやってきた木下に対して、大騒ぎになります。 木下は自分の夢をかなえようとするのですが、色々な問題が立ちふさがります。 お好み焼きチェーン店が目を付けてやってきたりするのですが、最難関は自分の妻に相談せずに 勝手に話を進めていたことでした。 旦那の怪しい行動にピンと来た妻が、ライブハウスに乗り込んできて、さて木下はどうする…。
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